内視鏡検査(胃・大腸)
内視鏡診療(胃・大腸カメラ)について
豊富な経験を持つ専門医・専門技師が最新の機器を駆使し、受診者への負担を最小限にします。

<はじめに>
 当院内視鏡診療部門は平成22年4月に新たに開設され、平成29年3月までの7年間で約15,000件の内視鏡検査を行っています。
 多くの施設では検査総数で上部内視鏡検査(胃カメラ)の割合が多いのですが、当院は大腸がんの専門病院であり、下部内視鏡検査(大腸カメラ)が約7割(7年間で約10,000件)を占めているのが大きな特徴です。また、消化器内視鏡専門医、消化器内視鏡技師、看護師、クラークが一つのチームとなり、受診者の立場となって各々の業務を遂行しています。
 当然ながら、 苦痛の少ない内視鏡検査と質の高い治療を目標としており、スタッフ全員が高い内視鏡スキルを持つとともに適切な鎮静薬・鎮痛薬を用い、苦痛を最小限にした内視鏡検査・治療を行っています。内視鏡はオリンパス社製を使用しており、通常検査の他、必要に応じて精密内視鏡検査(画像強調検査:NBI、拡大内視鏡検査など)も随時行っています。通常検査では、病変(がん)の発見、精密検査では、がんの深達度診断(治療方針の決定:内視鏡的治療か手術かの診断)を行います。がんは早期であれば、手術をせずに内視鏡による治療を行なうことができます。

当院 内視鏡室 スタッフ


当院で施行している主な内視鏡検査による診断・治療
  • がん・腫瘍の拾い上げ診断
  • がんの範囲診断・深達度診断
  • 腫瘍(良性腫瘍、がんなど)の内視鏡的切除術
    ポリペクトミー、粘膜切除術(EMR)、粘膜下層剥離術(ESD)
  • 消化管出血に対する止血術を含む緊急内視鏡検査
  • 術前検査(点墨、マーキングなど)
  • 治療後の経過観察(サーベイランス)
  • 狭窄に対する拡張術、ステント留置術
  • 胃瘻造設術
  • その他


苦痛の少ない大腸内視鏡検査について
 大腸内視鏡検査は、挿入手技により苦痛が大きく異なる検査です。当院では軸保持短縮法と炭酸ガス(CO2)送気挿入法、鎮静剤使用を基本に、痛みの少なく短時間(当院での盲腸までの平均到達時間は3.5分で、検査時間は概ね15分~20分程)で終了する大腸内視鏡検査を提供しております。
 主にS状結腸が伸展されたときに痛みを感じますが,軸保持短縮法では,S状結腸を伸展させることなく、腹部圧迫を併用しながら最短距離で挿入します。
 また、内視鏡挿入時は、通常送気をして(空気を入れて)大腸内を確認しながら行いますが,送気が多くなると大腸が伸展し軸保持短縮法が出来なくなるだけでは無く、非常に苦痛を伴います。当院では空気を用いず、空気よりも50倍以上体に吸収されやすい炭酸ガス(CO2)を用いて苦痛の軽減を行っています。CO2の方が空気に比べお腹の張り具合がはるかに楽です。

※以前に大腸内視鏡検査を受けて、二度と受けたくないと思われた方、苦しい・辛い思いをした方は一度ご相談ください。専門スタッフが親身に対応させていただきます。


大腸ESDについて
 大腸での早期がんや2cmを超える大きなポリープについては、内視鏡にて一括切除を行うESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を行います。この手技については施設基準が定められており、当院は2013年に施設基準を取得し、2017年3月までの4年間で約200症例施行しています。現在、都城市では唯一、大腸ESD施設基準を満たす病院です。
症例 LST-G 75mm×60mm 病理結果 well differentiated tubular adenocarcinoma ly0 V0 pHM0 pVM0


大腸ステントについて
 がんの進行で大腸が狭くなると、腸内に便やガスなどが溜まり、お腹の張り・腹痛や吐き気・嘔吐を起こします。(腸閉塞)従来、このような場合は緊急手術が行われ、一時的に人工肛門を設けることが一般的でした。
 しかし、筒状の金網(ステント)で閉塞部を押し広げる事により、症状の軽減や便通が再開され、緊急手術も行なうことも少なくなり、入院日数の短縮や手術後の生活の質の向上につながります。
 当院では2014年より導入し、現在まで約30症例に対し実施しています。
ステント留置直後(写真左)と1日後の腹部単純写真(写真右)腸管ガスの減少とステントの拡張が確認できる。
ステント留置前(写真左)と留置後(写真右)の内視鏡画像。内腔が確保されている。


当院における内視鏡機器の洗浄消毒について
 1本の内視鏡を色々な受診者に使用します。よって、受診者間において感染症(B型・C型肝炎等)を引き起こす危険性がありますので、検査・治療に用いる内視鏡は1検査ごとに毎回洗浄・消毒して使用する必要があります。当院における内視鏡の洗浄消毒は、日本消化器内視鏡学会・日本消化器内視鏡技師会等の洗浄消毒ガイドラインに沿って行っており、万一の洗浄事故に対しても対処できるよう、「いつ」、「どの内視鏡で」、「どの洗浄・消毒器で」、「誰が洗浄・消毒したか」、「消毒液濃度は適切か」などの洗浄・消毒履歴を残し、危機管理に努めております。
 また、患者様に安全な検査や治療を受けて頂くため、生検鉗子などの処置具は、ディスポーザブル製品(使い捨て)を使用し患者様の感染防止対策に万全を期しています。